本公演はAwaji world ballet総合芸術監督であり、構成・振付・演出すべてを手掛けた 針山愛美氏の30年来の想いにより実現いたしました。
長らく海外で踊る中で、“日本の伝統文化×バレエ”をコラボレーションさせた作品を制作したいと感じた針山氏は、これまで太鼓やお箏を交えた短編作品を制作してきましたが、今回、遂に長編和物作品に挑戦しました。
題材は古くから日本で親しまれている民話の「鶴の恩返し」。バレエといえば、『"白鳥"の湖』がよく知られていますが、日本版に昇華させるインスピレーションで『"鶴"の恩返し』を選びました。さらに、制作するにあたり、今までAwaji world balletを支えてくれたすべての人々への感謝の想いを込めました。
今回、初めて長編和物作品を手掛けるにあたり、様々なチャレンジをしました。ストーリーには、昔話の筋書き通りではなくオリジナルで構成脚本を考えました。「心の美しいものにしか立ち入ることの出来ない幻の湖」「痛みや憎悪・世に蔓延る様々な悲しみを拭い去る 幻の織物」…込めたいメッセージを伝えるべく、多くのオリジナリティをくみこみました。
演出では、空間映像の新技術に挑戦。踊り子一人一人の動きに合わせた緻密な映像や、立体的で今にも吸い込まれてしまうような映像。さらには、オリジナルストーリーを伝えるべく、「破壊された自然が幻の織物の効力によって、癒されていく」ような、ストーリー性のある映像も制作しました。
"恩を返す鶴"のように、今まで歩んだ道のりに、そして全てのことに感謝と、平和の願いを込めた本作品。国境や言葉の壁を越えて、踊りで表現し、心から心に、日本から世界にメッセージを届ける事が出来れていれば光栄です。
Comments